秋春制なのに“夏夏制”!? J開幕節で選手続々ガス欠、猛暑と湿度の実態データ
Jリーグが秋春制へ移行して初めてのシーズンが開幕したが、フタを開けてみれば“夏夏制”と呼びたくなるような猛暑続きの幕開けとなった。
8月7日に国立競技場(MUFGスタジアム)で行われた横浜F・マリノス対鹿島アントラーズの開幕戦は、実に6万3,960人が来場し、Jリーグ史上最多の観客動員を記録。注目の一戦は、Jリーグデビュー戦となった横浜FMの16歳MF三井寺眞が前半7分にクラブ史上最年少(J1史上2位)となる先制点を奪い、横浜FMが優位に試合を進める展開となった。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro ところが、後半に入ると異変が次々と発生。三井寺が足をつって担架で運び出され交代すると、横浜FMの選手たちが次々と足をつる事態に陥った。後半32分時点で新任のスティーブ・コリカ監督は交代枠を使い切ってしまい、DF井上太聖、DF諏訪間幸成らはほぼ走ることのできない状態でプレーを続けることを余儀なくされた。結果、後半36分に鹿島FWレオ・セアラ、後半54分と後半57分にFWチャヴリッチに得点を許し、3-4で大逆転負け。ゴールシーンの多さよりも、選手たちの“ガス欠”ぶりが目立つ試合となった。
この日、試合が行われたMUFGスタジアムの気温は29.4℃・湿度72%。リーグ戦としては24年ぶりに民放地上波(フジテレビ系)で生中継された注目の一戦だったが、視聴者にも選手たちの消耗ぶりが伝わったことだろう。
翌日には、J1水戸ホーリーホックの樹森大介監督も、柏レイソルに1-2で敗れた試合後の会見で「90分もたない選手が多く、必要以上の交代はちょっと難しいなというところもあった」と、2点ビハインドで迎えたハーフタイムでの選手交代を躊躇した理由を明かした。敵は相手イレブンだけでなく天候でもあるという実情を象徴するコメントだ。
Jリーグが秋春制を採用した理由のひとつには「酷暑での試合を避けられることで、試合の質を上げる」というものがあったとされるが、開幕節を見る限り、その思惑は早くも外れた格好だ。
実際、開幕節全29試合のデータを見ると、J1広島対千葉戦は32.1℃・湿度62%、J1G大阪対浦和戦は31.4℃・湿度51%と、30℃超えの試合が複数あった。湿度に目を向ければ、J3福島対讃岐戦は25.2℃ながら湿度90%、J3栃木SC対金沢戦も24.4℃・湿度90%と、気温が低くても蒸し暑さが厳しい試合が目立つ。
J2札幌対徳島戦は屋内の大和ハウスプレミストドームで23.9℃と快適な環境だったが、屋外スタジアムでは高温多湿との戦いを強いられた。台風13号の影響で琉球対北九州は中止(9月9日に代替開催)となるなど、開幕節は天候にも翻弄された。
それでも、開幕節はJ1からJ3の全カテゴリーで47万6,112人を動員し、1節あたりの最多入場者数記録を更新。観客動員の面では大成功を収めた一方、選手たちのコンディション面では課題を残す開幕となった。秋春制移行後も残る「暑さ問題」に、今後のJリーグがどう対応していくのか。クラブ数削減や試合時間の再検討など、解決策が問われそうだ。
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