北中米W杯に学べ!日本のスタジアム経営、税金依存脱却のヒント
2026年に北中米3カ国で共催されたFIFAワールドカップが、7月20日に閉幕した。アメリカ11会場、カナダ2会場、メキシコ3会場の計16会場で熱戦が繰り広げられた今大会の最大の特徴は、既存スタジアムを最小限の改修で使い倒した点にある。カタール大会のように新設ラッシュとは真逆のアプローチ。この“北中米モデル”は、巨額の建設費と維持費に頭を抱える日本のスタジアム事情に、大きなヒントを投げかけている。
日本では東京五輪で建て替えられた国立競技場の建設費が約1,569億円、維持管理費は年間約18億円。その多くが公費だ。Jリーグのサッカー専用スタジアムも、建設費は100~150億円規模で、原資はほぼ自治体負担。つまり税金頼みの構造が続いている。一方、北中米W杯で最も高額だったSoFiスタジアム(カリフォルニア州イングルウッド)の建設費は約50~55億ドル。これを実質全額負担したのは民間企業のクローンケ・スポーツ&エンターテイメントだ。同スタジアムはNFL2チームの本拠地であり、コンサート会場としてもフル稼働。2027年のスーパーボウル、2028年ロサンゼルス五輪の開会式・競泳会場としても使用予定で、稼働率は極めて高い。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon NFLのレギュラーシーズンはホームゲームが8~9試合と少ない。そのため「NFLだけでは採算が合わない」という前提で、多目的利用を想定した設計が当たり前。AT&Tスタジアム(ダラス)では、W杯の準決勝終了後、すぐに特設天然芝を剥がして人工芝に戻す原状復帰工事が始まった。8月15日にはBTSの公演、8月22日にはザック・ブライアンのライブが控えており、W杯の余韻に浸る暇などない。決勝会場のメットライフ・スタジアムで使われた天然芝は、剥がした後に1枚450ドル(約7万3,000円)で販売されるというから、FIFAの商魂もなかなかのものだ。
もちろん、すべてが順調というわけではない。公費依存度が高いNRGスタジアム(ヒューストン)やBCプレイス・スタジアム(バンクーバー)では税負担が課題となっている。日本で参考になるのは、ガンバ大阪の本拠地パナソニックスタジアム吹田の事例。建設費約140億円の大半を企業・個人寄付で賄い、隣接する「ららぽーとEXPOCITY」との複合開発で集客に成功している。
提言として、総事業費の50%以上を民間資金(寄付、命名権、官民連携)で賄う目標を掲げたい。150億円規模なら民間負担100億円以上、自治体負担を50億円以内に抑える。自治体は土地提供や税制優遇に徹し、スタジアムを「エンターテインメント複合施設のハブ」として位置づける発想が不可欠だ。日本では「どこに造るか」が先行し、「一から街を造る」視点が不足している。駅近・街なかというワードが出た時点で、立地選定が先行し、施設自体で集客を創出する視点が弱い印象を受ける。
北中米W杯の教訓は、大会後の“負の遺産化”を避けるための多目的利用と資金負担の分散にある。カタール大会のスタジアム974は、輸送用コンテナとして再利用する計画が未だ実現しておらず、オイルマネー頼みの維持が続いている。日本も、税金に頼らない持続可能なスタジアム経営の道を、真剣に模索すべき時だ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 今、あなたにオススメ