TNAインパクト8・6レビュー:ネメス対ハーディー王座戦へのモヤモヤ、そしてオーダー4崩壊の衝撃
TNAインパクトがロックダウンPPVに向けて、メインイベントのタイトルマッチやトーナメント戦、バックステージでのドラマを詰め込んだ2時間を届けた。全体的にスリリングとは言い難かったが、光る部分もいくつかあった。
まず、最大の不満はニック・ネメス対ジェフ・ハーディーの世界王座戦に向けたビルドアップだ。約1ヶ月前にSNSで発表されたものの、ネメスにはまだKCナバーロとの防衛戦が控えていた。さらにファンは先週の生放送で行われると思っていたが、実際は収録で今後の放送に回された。今夜のオープニングではジェフの兄マットとネメスの兄ライアンが対戦したが、短くて無難な内容に終始。唯一の見せ場はジェフがランプでネメスをチョークスリープで沈めたシーンだった。番組最後の契約書調印式では、ジェフが黙々と絵を描き続ける中、ネメスが一方的にプロモート。不安と焦りを露わにするネメスと、泰然自若のジェフという構図は理解できるが、エンターテインメントとしては物足りなかった。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 一方、高く評価したいのはマーラ・セイドとヘザー・バイ・エレガンスのノックアウトTV王座トーナメント戦だ。TNAとの契約が満了したセイドだが、手抜きなど一切せず、ヘザーの執拗な腕攻めに苦しみながらもパワーボムや逆転のロールアップで希望を見せた。ヘザーはターンバックルから腕を引きちぎるように投げ、ミサイルドロップキックで勝利。シンプルなストーリーテリングが観客を引き込む好例だった。ヘザーがタッグパートナーのM・バイ・エレガンスと決勝で激突する可能性にも注目が集まる。
また、オーダー4の内部分裂も見逃せない。ジェイソン・ホッチがムスタファ・アリからインターナショナル王座を奪ったことで、グループは崩壊寸前だ。ホッチはタッグ戦線からシングルのトップへ躍進し、ロックダウンでの鋼鉄ケージ戦でアリと再戦する。一方、長く影の薄かったターシャ・スティールズには、むしろこの混乱がチャンスとなるかもしれない。今夜のメンバー同士の乱戦で、彼女が「ボリクア・バダス」として復活する期待が高まった。
しかしながら、ザ・システムの扱いには頭を抱える。KCナバーロ対ブライアン・マイヤーズのシングル戦は退屈の極み。エディ・エドワーズが乱入しての反則裁定、さらにファビアン・アイヒナーが救出に来ると、サンティーノ・マレラがタッグマッチを強行。結果、竹刀を使った反則でシステムが勝利したが、脚本の継ぎ目が露呈し、観客を白けさせた。セドリック・アレクサンダーを除けば、メンバー全員が没個性で、エース&エイツやハウス・オブ・トーチャーと比べても見劣りする。
A.J.フランシス対ホームタウンマンの再戦も、4ヶ月ぶりとはいえ2分足らずで中身のない一戦。イライジャにフランシスとの因縁を継続させる以外の意味は見いだせなかった。
最後に、ライチャスの意味深なマイクパフォーマンスに触れたい。観客がブーイングする中、彼らの「集団に属する意味」を問う哲学的な言葉は、まるでカルトの勧誘のようでゾクゾクさせられた。「転生の湖」を経験した彼らが、次に何を仕掛けてくるのか、目が離せない。
ロックダウンに向けて、盛り上がる要素もあれば、不安要素も多い。次週の放送で、さらに話が動くことを期待したい。
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