WNBA史上最高の新人? オリビア・マイルズが刻む衝撃ルーキーイヤー
WNBAの歴史を塗り替える新人が現れた。その名はオリビア・マイルズ。ミネソタ・リンクスに全体2位で指名された22歳のガードは、もはや「新人王」なんて生易しいレベルではない。MVPだって視野に入っている。
シーズン前、ドラフト順位に対する疑問の声は少なくなかった。ディフェンス能力や3ポイントシュートの精度を不安視する向きもあった。しかし、マイルズはそんな声をすべて打ち消すパフォーマンスを見せつけている。開幕から即座に先発ポイントガードの座を奪い、チームの中心に。コート上のファシリテート能力とハンドリングの高さで、コートニー・ウィリアムズを本来のシューティングガードに戻すという好循環を生み出した。ウィリアムズ、ケイラ・マクブライドらと組むガード陣は驚異的な完成度で、エースのナフィーサ・コリアーが前半戦を欠場したにもかかわらず、リンクスはプレーオフ進出を決め、リーグ首位を走っている。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon マイルズの個人成績は圧巻だ。平均19.9得点、4.6リバウンド、6.1アシスト、1.2スティール。得点とアシストの両方でリーグトップ10入り。フィールドゴール成功率49.7%、3ポイント成功率40.0%という数字は、大学時代よりも向上している。
歴史的な記録も次々と打ち立てている。フェニックス・マーキュリー戦では33得点でリンクスの新人フランチャイズ記録を樹立。ゴールデンステート・ヴァルキリーズ戦では、クリスタル・ロビンソンとケイトリン・クラークが持っていた新人による1試合最多3ポイント成功記録を8本で塗り替えた。さらに、WNBA史上最速の22試合で400得点、100リバウンド、100アシストを達成している。
新人王の行方は6月頃には事実上決着しており、月間最優秀新人賞をすべて受賞。これは2022年のライネ・ハワード以来の快挙だ。そして、その先にあるのがMVPだ。WNBAの歴史において、新人王とMVPを同時受賞したのは2008年のキャンデース・パーカーただ一人。今季のMVP最有力候補はA'ジャ・ウィルソンだが、マイルズの軌跡はパーカー以来の偉業を予感させる。たとえMVPを逃しても、オールWNBAファーストチーム選出は確実視されており、これはリーグ史上5人しか達成していない名誉である。
では、マイルズは歴代の偉大なルーキーたちと比べてどの位置にいるのか。2008年のキャンデース・パーカー(平均18.5得点、リーグトップの9.5リバウンド)は新人でMVPを獲得。2002年のタミカ・キャッチングス(平均18.6得点、8.6リバウンド、2.9スティール)はオールWNBAファーストチーム入りし、MVP投票3位、年間最優秀守備選手投票2位。同じく2002年のスー・バード(平均14.4得点、6.0アシスト)は新人王こそ逃したが、ファーストチーム入り。2004年のダイアナ・タウラシ(平均17.0得点、4.4リバウンド)もファーストチームに名を連ねた。2024年のケイトリン・クラークも記録を破られている。
筆者は「MVP投票の結果がわかるまでは正確なランク付けは不可能」としながらも、現在のところ、オールWNBAファーストチーム入りが確実な5人の新人の「真ん中あたり」に位置づける。そして、もしマイルズがリンクスを優勝に導けば、その評価は一気に歴代トップクラスへと跳ね上がるだろう。球宴級のショータイムは始まったばかりだ。
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